目次
牛乳はカルシウムを効率良く摂取できる食品ではあるものの、
何らかの事情で牛乳が飲めない方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、牛乳以外でカルシウムが摂れる食品一覧を解説します。
牛乳以外でカルシウムを摂取できる簡単レシピ・乳アレルギー対応レシピも紹介しますので、
ぜひ参考にしてください。
■牛乳以外でカルシウムが摂れる食品一覧
ここでは、牛乳以外でカルシウムを摂取できる食品を種類別に紹介します。
各数値は、小数点以下四捨五入したものです。
乳製品
カルシウムを多く含む乳製品は、以下のとおりです。
食品名 | 1食あたりの摂取量 | カルシウム含有量 |
ゴーダチーズ | 20g | 136mg |
プロセスチーズ | 20g | 126mg |
ブルーチーズ | 20g | 118mg |
ヨーグルト(全脂無糖) | 100g | 120mg |
アイスクリーム(高脂肪) | 90g | 117mg |
カマンベールチーズ | 20g | 92mg |
乳製品はカルシウムが多いだけでなく吸収率も高いため、効率良く摂取できます。
チーズは多くの種類がありますが、なかでもゴーダチーズやプロセスチーズはカルシウムが豊富です。
魚介類
カルシウムを多く含む魚介類は、以下のとおりです。
食品名 | 1食あたりの摂取量 | カルシウム含有量 |
かたくちいわし(煮干し) | 15g | 330mg |
わかさぎ(生) | 60g | 270mg |
さば缶詰(みそ煮) | 90g | 189mg |
ししゃも(焼き) | 45g | 162mg |
ほっけ開き干し(焼き) | 80g | 144mg |
さくらえび(素干し) | 5g | 100mg |
骨ごと食べられる魚は、切り身魚よりもカルシウムが豊富です。天日干しすることでカルシウムが数倍に増加し、カルシウムの吸収率を高める「ビタミンD」も多くなります。
野菜類
カルシウムを多く含む野菜類は、以下のとおりです。
食品名 | 1食あたりの摂取量 | カルシウム含有量 |
チンゲン菜(ゆで) | 1株 (100g) | 120mg |
春菊(生・ゆで) | 1/2束(100g) | 120mg |
小松菜(ゆで) | 1/4束(70g) | 105mg |
水菜(生) | 1/4束(50g) | 105mg |
菜の花(ゆで) | 1/4束(50g) | 70mg |
モロヘイヤ(ゆで) | 30g | 51mg |
野菜類は乳製品や魚介類に比べるとカルシウムの吸収率が低いため、
単体で十分なカルシウムを摂取するのは難しいでしょう。
とはいえ野菜類はビタミンが豊富なため、毎日の食事に積極的に取り入れたい食材です。
大豆製品・ごま
大豆製品・ごまのカルシウム含有量は、以下のとおりです。
食品名 | 1食あたりの摂取量 | カルシウム含有量 |
高野豆腐(水煮) | 100g | 150mg |
がんもどき | 1個(50g) | 135mg |
焼き豆腐 | 1/3丁(80g) | 120mg |
生揚げ(厚揚げ) | 1/3丁(50g) | 120mg |
木綿豆腐 | 1/3丁(100g) | 93mg |
ねりごま | 15g | 89mg |
絹ごし豆腐 | 1/3丁(100g) | 75mg |
調整豆乳 | 200g | 62mg |
納豆 | 1個(50g) | 46mg |
大豆はカルシウムが豊富なだけでなく、良質なタンパク質や炭水化物、脂質もバランスよく含まれています。
さらに、大豆に含まれる「イソフラボン」にはコレステロールを下げる効果もあります。
海藻類
カルシウムを多く含む海藻類は、以下のとおりです。
食品名 | 1食あたりの摂取量 | カルシウム含有量 |
ひじき(乾) | 煮物1食分(10g) | 100mg |
刻み昆布・乾 | 煮物1食分(8g) | 75mg |
生わかめ | 煮物1食分(30g) | 30mg |
海藻には海のミネラルが大量に含まれており、カルシウムも豊富です。
ひじきは低カロリーでありながら食物繊維やビタミン、ミネラルが多く、生活習慣病の予防にも役立ちます。
カルシウム含有量は多少落ちますが、生わかめを扱うのが難しい方はカットわかめ(水煮後30gで約23g)も手軽です。
妊婦の方がカルシウムを摂るのに注意したい食べ物
チーズはカルシウムが豊富ではあるものの、種類によっては食中毒を引き起こす可能性もあるため妊婦の方は注意が必要です。
ここでは、妊婦の方が注意すべきチーズの種類を紹介します。
妊娠中に避けるべきナチュラルチーズの種類
チーズは「ナチュラルチーズ」と「プロセスチーズ」の2種類があります。
妊婦の方が摂取する際は、殺菌・加熱された「プロセスチーズ」を選びましょう。
ナチュラルチーズは加熱処理されていないことがあり、
微生物が生きたまま付着しているケースがあります。
妊娠中に食中毒菌(リステリア)に感染すると
妊婦の方が敗血症や髄膜炎などの重症感染症に罹患したり、流産・死産など胎児に影響が出たりする可能性もあります。
【妊娠中に避けるべきナチュラルチーズの種類一例】
チーズのタイプ | 例 |
白カビタイプ | カマンベール、ブリー |
青カビタイプ | ゴルゴンゾーラ、ババリアブルー、スティルトン、ロックフォール |
ウォッシュタイプ | モンドール、エポワス |
フレッシュタイプ | モッツァレラ、カッテージチーズ、クリームチーズ、マスカルポーネ、クワルク |
ハード~セミハードタイプ | パルミジャーノ、ゴーダ |
とくに輸入品のチーズは殺菌されていないため、妊娠中は食べないようにしましょう。
ナチュラルチーズとプロセスチーズの違いは、
パッケージ裏にある食品表示の「種類別欄」で確認できます。
カルシウムの吸収を妨げる栄養素
組み合わせによっては、カルシウムの吸収を阻害してしまう栄養素があります。以下の食品の摂り過ぎには注意しましょう。
【カルシウムの吸収を阻害する栄養素】
栄養素 | 例 |
リン | インスタント食品 、加工食品、練り製品、スナック菓子 |
食塩 | 加工食品、漬物、干物、練製品 |
カフェイン | コーヒー、玉露、エナジードリンク、コーラ |
シュウ酸 | ほうれん草、たけのこ、煎茶 |
フィチン酸 | 米ぬか、玄米 |
カフェインはカルシウムの吸収を阻害するだけでなく、胎児の発育に影響を及ぼすおそれがあります。世界保健機関(WHO)は、妊婦の方に対して「コーヒーを1日3〜4杯まで」にするよう呼びかけています。
■牛乳が飲めない方がカルシウムを取るのに注意したい食べ物
全粉乳や脱脂粉乳、練乳、乳酸菌飲料、はっ酵乳などの加工食品は牛乳が含まれるため、牛乳アレルギーの方は摂取できません。
一方、乳化剤や乳酸菌、乳酸カルシウムは「乳」という文字があるため乳製品と間違われやすいですが、牛乳とは関係ありません。
牛乳が摂取できない方はカルシウムが不足しがちなため、乳製品以外の食品で日常的に補いましょう。
■牛乳よりカルシウムが多い食べ物・飲み物は?
牛乳よりカルシウムが多い食べ物・飲み物は以下のとおりです。
食品名 | 1食あたりの摂取量 | カルシウム含有量 |
普通牛乳(参考として) | コップ1杯(200g) | 220mg |
ヨーグルトドリンク(加糖) | コップ1杯(200g) | 220mg |
かたくちいわし(煮干し) | 1食分(15g) | 330mg |
わかさぎ(生) | 1食分(60g) | 270mg |
ヨーグルトドリンクは牛乳と同等のカルシウムが含まれているうえ、吸収率も高いのが特徴です。加糖タイプのヨーグルトドリンクは128kcal、牛乳は122kcalと、カロリーもほとんど変わらないため牛乳の代わりとしておすすめです。
乳製品のアレルギーがある方は、牛乳よりカルシウムが豊富なかたくちいわしの煮干しやわかさぎなどを食事に取り入れましょう。
ただし、カルシウムの吸収率は魚介類より乳製品のほうが多い点に留意する必要があります。(吸収率に関する詳細は、後述しています)
■1日に必要なカルシウム量は?
カルシウムは便や尿と一緒に排出されるため、毎日欠かさずに摂取することが大切です。
ここでは、1日に必要なカルシウム量を年齢・性別ごとに紹介します。
子供・妊婦・成人に必要なカルシウム量
厚生労働省が作成した「日本人の食事摂取基準」によると、1日あたりに摂取すべきカルシウムの推奨量は、以下のとおりです。
【カルシウムの食事摂取基準 1日あたりの推奨量】
年齢 | 男性 | 女性 |
1~2歳 | 428mg | 415mg |
3~5歳 | 587mg | 532mg |
6~7歳 | 585mg | 538mg |
8~9歳 | 645mg | 750mg |
10~11歳 | 708mg | 732mg |
12~14歳 | 991mg | 812mg |
15~17歳 | 804mg | 673mg |
18~29歳 | 789mg | 661mg |
30~49歳 | 738mg | 660mg |
50~64歳 | 737mg | 667mg |
65~74歳 | 769mg | 652mg |
75歳以上 | 720mg | 620mg |
なお、妊娠中は胎児の成長に多くのカルシウムが必要となるものの、腸管からのカルシウム吸収率が上昇します。そのため、上記のカルシウム推奨量に対する付加量は必要ありません。
とはいえ、そもそも十分なカルシウムを日常的に摂取できている方は少ないです。
「令和元年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、20代女性で平均408mg/日、30代女性で平均406mg/日しかカルシウムを摂取できていません。
したがって、妊娠の有無にかかわらず日頃からカルシウムを積極的に摂取することが大切です。
カルシウムの吸収率を上げるには?
食事から摂取したカルシウムは小腸で吸収されますが、吸収率は成人で約25〜30%と低めです。しかし、ビタミンDと一緒に摂取すればカルシウムの吸収率を促進できることがわかっています。
ビタミンDを多く含む食品の例としては、魚(サケ、イワシ、カレイ、サンマ、ブリ)やきのこ(きくらげ、干ししいたけ)などが挙げられます。
皮膚中のプロビタミンDは日光を浴びることでプレビタミンとなるため、外出しない日でもベランダなどで1日10〜20分ほどの適度な日光浴を取り入れましょう。
食品によるカルシウムの吸収率のちがい
カルシウムの吸収率は、食品によって異なります。食品ごとのカルシウムの吸収率は、以下のとおりです。
- 牛乳・乳製品:約40%
- 小魚:約33%
- 野菜・海藻:約19%
カルシウムは体内に吸収されにくい栄養素のため、ビタミンDと一緒に摂取して吸収率を高めましょう。
■牛乳以外でカルシウムが簡単に摂れるレシピ
ここでは、牛乳以外でカルシウムを簡単に摂取できる料理・お菓子のレシピを紹介します。
カルシウムが補給できるお手軽料理レシピ
牛乳を使っていない、カルシウム強化レシピを4つ紹介します。
▼小松菜のごま酢和え【乳アレルギーOK】
すりごまとシラスで子どもでも食べやすい小鉢料理です。乳製品不使用なので、乳アレルギーの方も召し上がれます。
▼青じそドレッシングサラダ【乳アレルギーOK】
乳アレルギーの方でも使える「お料理カルシウム」を使用したレシピです。メイン料理以外で手軽にカルシウムを摂りたいときにご活用ください。
▼モロヘイヤとトマトの卵スープ
切って入れるだけの簡単スープです。コンソメキューブを使用するレシピなため、乳アレルギーをお持ちの方が召し上がる場合は、乳成分不使用のコンソメに変更してください。
▼豚肉とパプリカのチャーハン
「お料理カルシウム」を使用したレシピです。カルシウムをより気軽においしく摂れるようになります。レシピに含まれる中華顆粒だしと生姜チューブは乳成分を含む製品もあるため、アレルギー対応が必要な方は製品の表示をよく確認してご活用ください。
牛乳が飲めない子供に!代わりにカルシウムが摂れるお菓子レシピ 豆腐のわらび餅
「お料理カルシウム」を使用した乳アレルギー対応レシピです。きな粉と豆腐を使用することで、カルシウムとタンパク質が同時に摂取できます。甘く味付けするきな粉のおかげで、子どももおいしく食べられます。
■牛乳以外でカルシウムを補給するならサプリメントの活用も
骨や歯の健康維持に必須なカルシウムは便や尿と一緒に体外へ排泄されるため、毎日欠かさず摂取したい栄養素です。「牛乳が苦手」「乳アレルギーがある」といった方は、今回紹介した牛乳以外の食品をバランスよく摂取してカルシウムを補いましょう。
牛乳以外で十分なカルシウムを摂取するのが難しいときは、サプリメントで補うのもひとつの選択肢です。栄養バランスのいい食事を基本に、サプリメントをうまく活用してカルシウムを効率良く摂取しましょう。
【記事監修医師】※レシピ部分は監修しておりません。
高座渋谷つばさクリニック
院長 武井 智昭
https://tsubasakai.or.jp/koza/
■経歴
2002年 慶應義塾大学医学部卒業
2004年 立川共済病院勤務
2005年 平塚共済病院小児科医長として勤務(内科)
2010年 北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室兼任
2012年 横浜市内のクリニックの副院長として勤務 (スマイルこどもクリニック)
2015年 小谷クリニック 内科・小児科(訪問診療部)部長
2017年 「なごみクリニック」内科・小児科・アレルギー科 院長
2020年4月「高座渋谷つばさクリニック」院長就任
■専門医・認定医
小児科専門医・指導医
日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)
臨床研修指導医(日本小児科学会)
抗菌化学療法認定医
プライマリケア学会認定医
認知症サポート医
小児感染症学会認定医
日本臨床内科学会認定医
日本糖尿病学会認定医
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