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「骨密度が低い」といわれた……この原因と上げる運動法は?

「骨密度が低い」といわれた……この原因と上げる運動法は?

記事の分類
健康コラム
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お悩み
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公開日
2020/12/28
最終更新日
2021/01/11

健康診断や人間ドッグなどで「骨密度が低い」といわれたことはありませんか?

骨密度が低いと骨折リスクが高まり、骨粗しょう症の治療が必要になるケースもあります。

そもそも骨密度が低くなる原因は何なのか、骨粗しょう症との関係や、

骨密度を高める方法とあわせてチェックしてみましょう。

骨密度イメージ

 

【目次】

 

骨密度が低い原因とは

加齢

骨密度低下の原因加齢によるイメージ

基本的に人の骨密度は、20~40歳にピークとなり、

その後は加齢にともなって徐々に減少していきます。

これは、腸管からのカルシウム吸収率が低下するうえに、

カルシウムの吸収を助けるビタミンDが体内でつくられにくくなり、

さらに、女性の場合、女性ホルモンが骨吸収(破骨細胞の活動)を抑制していたものが、

閉経により、それがなくなるので、骨吸収が異常に高まります。

これにより、骨密度が低下した弱い骨になっていきます。

女性ホルモンの減少

女性ホルモン減少

女性は、男性よりも加齢にともなう骨密度の低下が早いといわれています。

これは、閉経にともなって女性ホルモンの1つ

「エストロゲン」の分泌が減少するためです。

エストロゲンには骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きがあるのですが、

その分泌量が低下すると骨密度がガクンと減少してしまいます。

高齢の女性に腰が曲がった方が多いことには、ホルモンバランスの変化も関係しているのです。

 

過度のダイエットや偏食

 

骨をつくるためには、カルシウムやビタミンDなどの栄養素が必要です。

これらの栄養が不足していると骨の代謝が正常におこなわれず、

骨密度が低下しやすくなります。

過度のダイエットや偏食をされている方、加齢によって食事量が減っている方は、

骨密度が低くなりやすいので注意しましょう。

 

運動不足

 

骨の形成には、カルシウムやビタミンDなどの栄養だけでなく、運動も欠かせません。

運動不足

運動によって骨に負荷がかかると骨をつくる細胞が活発化し、より丈夫になるのです。

このことから、運動不足の方はおのずと骨密度が低下しやすくなります。

 

病気

 

骨密度の低下は、病気が原因になることもあります。

副甲状腺機能亢進症、糖尿病、慢性腎臓病(CKD)などの疾患は、

骨の新陳代謝のバランスを崩れさせてしまうのです。

また、ステロイドの長期服用も、骨形成が停滞して

骨がもろくなる原因になるといわれています。

 

若年層の予防法

栄養管理

栄養管理
若年層は、過度のダイエットや偏食による栄養不足が、骨密度の低下に大きく関わっています。

無理なダイエットや好き嫌いは避けて、

カルシウムやビタミンDを豊富に含んだ食事を心がけましょう。

インスタント食品やファストフードは控え、

小魚、チンゲン菜などの葉野菜、豆腐などの大豆製品を食べるようにすると効果的です。

おやつには、ヨーグルトやチーズを選ぶと

カルシウムが効率よく補給できますよ。

 

運動

 

近年では、若年層の運動不足による健康被害が問題視されています。

運動量が減ると骨密度が低下するだけでなく、糖尿病や肥満も招いてしまいますから、

定期的な運動を心がけたいですね。

 

日光浴

 

日光を浴びると、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが体内でつくられます。

ビタミンDは食事からだけでなく、日光浴でも得られるのです。

しかし、最近は美容のための紫外線対策が原因で、ビタミンDが不足する傾向にあります。

過度な紫外線対策は控えて、木陰で30分程度の日光浴も習慣にしてみましょう。

日光浴

中高年における予防法

体重管理

 

体重が適性体重より軽い低BMIの方は、骨折リスクが高いことが報告されています。

これは、自分自身の体重が減ることで骨に負荷がかからず、

丈夫な骨がつくられにくくなるためです。

また、食事量が減っている場合、骨に欠かせないカルシウムやビタミンDなども

不足してしまいます。

できるだけ1日3回食事をとり、適正体重の維持、やせの防止につなげましょう。

 

栄養改善

 

たとえ十分な量の食事をとっていても、栄養バランスが崩れていては意味がありません。

カルシウムは牛乳、乳製品、小魚、大豆製品、チンゲン菜などに、

カルシウムの吸収を助けるビタミンDは

サンマ、サバ、干ししいたけ、卵などに多く含まれています。

ビタミンD

また、骨形成を助けるビタミンKは、納豆、ほうれん草、ブロッコリーに豊富です。

これらを意識して、毎日の食事に取り入れてみましょう。

中高年は若年層より骨密度が低下しやすいため、

より入念で継続的な栄養管理をおこなうことが大切です。

 

運動

 

年齢を重ねると体が動かしにくくなり、運動も控えがちになってしまうもの。

しかし、それでは骨密度が低下してしまいますから、

ウォーキングやストレッチなどの簡単な運動を続けるようにしましょう。

ストレッチ

散歩を毎日の習慣にする、なるべく階段を使うなど、

できる範囲から無理なく始めてくださいね。

 

過度の飲酒を控える

 

お酒を常習的に飲む方は、骨密度が低くなりやすく、骨折リスクが高まる傾向があります。

できるだけ飲酒を控え、飲む場合は1日あたりビール中瓶1本程度にしましょう。

 

禁煙

 

喫煙も骨密度を低下させ、骨折リスクを高める原因になります。

喫煙を始めないのはもちろんのこと、

すでに喫煙されている方も禁煙を目標にしましょう。

 

骨密度と骨粗しょう症の関係

そもそも骨密度は、骨にどのくらいカルシウムなどのミネラルが詰まっているかを表し、

骨の強度を知るための指標になります。

骨密度が高いと骨にみっしりとミネラルが詰まって丈夫であり、

骨密度が低いと骨がスカスカで弱い状態であると分かるのです。

骨が元気な様子

骨密度が若年齢の平均骨密度と比較して70%未満の場合、

わずかな衝撃で骨折しやすい骨粗鬆症と診断されます。

よく健康診断で受けられる骨密度の検査(足首を測るもの)で、

若い人に比べて

数値が○○%ですという数値を見られたことが

ある方もおられると思います。

この若い人に比べて70%以上であれば、

骨粗しょう症の疑いから外れます。

でもこれには裏があって、

そもそも骨折をしたことがない方、

(ちょっと転んで骨折してしまうことを

脆弱性骨折(ゼイジャクセイコッセツといいますが)

についての基準です。

もちろん事故やケガの場合は除きます。

 

骨密度検査で調べてみよう

骨密度は、医療機関などの検査で知ることができます。

どのような測定方法があるのか、何歳から検査するべきなのか、

くわしくはこちらの「よく耳にする「骨密度」とは? どのような検査で測定するの?」記事を参考になさってくださいね。

骨密度を上げる運動

 

ウォーキング

 

ウォーキング

骨密度アップには、ウォーキングが効果的です。

歩くだけでも自分の体重が負荷となり、骨をつくる細胞が活発化されます。

1日30分歩くのが理想的ですが、まとめて時間が取れないときは

生活の中でこまめに歩きましょう。

スーパーやコンビニへの買い物は歩いていく、散歩を習慣化するなど、

1日1000歩ほど多く歩くことから始めてみてくださいね。

 

片足立ち

 

骨密度の低下を防ぐ運動は、家の中でも実践できます。

まずは比較的簡単で続けやすい、片足立ち(ダイナミックフラミンゴ療法)がおすすめです。

片足で立つと骨に十分な負荷を与えられるうえに、

バランス感覚を鍛えることができます。

バランス力を養うことで転倒防止にもつながりますよ。

ふらついたときにすぐ手がつけるよう、壁やイスのそばで

足元に気をつけながらおこなってくださいね。
 片足立ち

① 目を開けたまま立ち、片足を床から5cmほど上げる

② そのまま1分間キープする
※揺れながらで構わないので、なるべく真っすぐ伸びた姿勢を保ちましょう。

③ 反対側の足も同様におこなう
※1日3回おこなうと効果的です。

 

かかと落とし

 

かかとをストンと落として刺激を与えると、骨に効率よく負荷がかかります。

こちらも簡単な動作なので、幅広い年代の方におすすめです。
お家の中でこまめに続けてみましょう。

かかと落とし

① 椅子の背もたれなどに手を置いて立つ

② つま先を支えにかかとを上げ、3~5秒停止する

③ かかとをストンと落とす

④ かかとの上げ下げを5~10回くり返す

※1日30回おこなうと効果的です。

骨密度が低いときは生活習慣から見直そう

骨密度は、骨の健康状態を表す大切な指標です。

万が一「低い」と診断された場合は、

今すぐ生活習慣を見直して、改善点を見つけましょう。

治療が必要ない段階でも、骨を丈夫にする食事や運動で、

骨密度アップを目指していきたいですね。

関連リンク
骨粗鬆症予防には運動が効果的

 

コラム執筆

エフライト 冷水香


コラム監修

田中 清先生

神戸学院大学栄養学部教授、医師、医学博士。
日本骨粗鬆症学会や日本ビタミン学会など数々の学会でご活躍中。

 

 

 



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