目次
日本古来より生薬としても用いられてきた桑の葉。
その桑の葉の栄養成分と効果について、調査してみました。
知れば知るほど、桑の葉にはたくさんの栄養成分が豊富に含まれ、ダイエットだけでなく、糖尿病、動脈硬化、肝臓にも良いという事がわかりました。
全3回にわたり桑の葉についてお伝えしますが、1回目の今回は桑の葉の“栄養成分”と“便秘改善とダイエット”の効果についてのお話です。
<もくじ>
桑の葉とは?
桑の葉とは、クワ科の落葉高木の葉のことで、主に“蚕のエサ用”として栽培されていました。
しかし桑の葉の持つ驚くべき健康効果が明らかになり、非常に注目されるようになりました。
桑の葉の入ったお茶や、青汁などの健康食品やダイエット食品などを目にされた方も多いのではないでしょうか。
桑(クワ)は3000年ほど前に、古代アジアの中央部で栽培され始めたと言われています。
そしてシルクロードを経てインドやイラン、さらにヨーロッパへも養蚕とともに伝えられていきました。
日本へは、魏志倭人伝(3世紀頃)に朝鮮半島を経て養蚕が伝えられたと言われています。
桑(クワ)は、葉だけではなく、枝や、根っこや果実も漢方薬として用いられており、桑の根を乾燥させた生薬の「桑白皮(そうはくひ)」は消炎、利尿、鎮咳等の効能があるとされ、現在でも漢方処方されているんです。
桑の葉に含まれる栄養分
古くから蚕のエサとして有名な桑の葉ですが、しかし驚くべき栄養を兼ね備えており、私たちの健康にとても良い効果があることがわかりました。
特に、桑の葉特有のDNJ(1-デオキシノジリマイシン)という成分は、糖質の吸収を抑制したり、血糖値の上昇を抑えたりなど、健康面でもダイエット面でも嬉しい効果が期待できます。
では桑の葉に含まれる、豊富な栄養成分について見ていきましょう。
<桑の葉の豊富な栄養成分>
DNJ(1-デオキシノジリマイシン)
化学構造がブドウ糖と非常によく似ていて、ブドウ糖の1つの酸素が窒素に置き換わった成分です。
そのため、小腸で“糖を分解する酵素”がブドウ糖と間違えてDNJと結合することにより、糖質の吸収を抑制することができます。
桑以外の植物には、未だに見出されていない特殊成分で、桑特有の成分です。
ダイエットや糖尿病対策などに期待されている成分です。
Q3MG(ケルセチンマロニルグルコシド)
Q3MGは、ポリフェノールの一種である“フラボノイド”の一種です。
桑の葉に含まれるフラボノイドは、脂質の代謝を促進し、肝臓や血中の中性脂肪値を低下させることができるため、脂肪肝予防などに効果が期待されています。
また、コテステロール値を下げる働きもあるため、動脈硬化予防などにも効果が期待されています。
食物繊維
食物繊維は消化・吸収されずに、小腸を通り大腸まで届きます。
食物繊維は、腸内の乳酸菌やビフィズス菌のエサとなり、善玉菌を増やし、便秘改善効果や整腸効果があります。
その他にも血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール値を下げるなど、多くの効果があります。
桑の葉は豊富に食物繊維を含んでおり、便秘改善や、ダイエットにもオススメです。
カルシウム
カルシウムは、骨や歯を作っている栄養素です。
食べたカルシウムは、小腸から吸収されて血液中に入り、多くは骨に蓄えられています。
骨がもろく折れやすくなる“骨粗しょう症”予防のためにも、積極的に摂取したい栄養素の一つです。
桑の葉には牛乳の約23倍のカルシウムが含まれているんですよ。
鉄分
鉄分は血液を作るために必要な栄養素です。
鉄分が不足すると、赤血球をつくる材料がないため鉄欠乏性の貧血になる恐れがあります。
貧血だと、血液は酸素を十分に運べなくなり、体が酸素不足になり、頭痛や疲れやすくなるなど注意が必要です。
特に女性は月経による出血や妊娠・出産によって鉄が失われることから、成人女性の5人に1人が鉄欠乏性貧血の可能性があるとも言われています。
桑の葉には、小松菜の約8倍の鉄分が含まれています。
マグネシウム
マグネシウムは骨や歯の形成に必要な栄養素で、カルシウムなどともに骨を作っているミネラルです。
長期的なマグネシウム不足は、骨粗しょう症、心疾患、高血圧、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まる可能性があると言われています。
マグネシウムは、あおさや海苔、ワカメなどに多く含まれていますが、桑の葉にも含まれている栄養素です。
亜鉛
亜鉛は味覚を正常に保つために必要な栄養素です。
亜鉛が不足すると、味を感じにくくなる“味覚障害”になることもあり、ダイエットや偏った食事による亜鉛不足に注意が必要です。
また亜鉛は、皮膚や粘膜の健康を維持する役割もあるため、不足すると、湿疹、皮膚炎、口内炎、抜け毛が起こりやすくなります。
桑の葉には不足しがちな亜鉛も含まれています。
ポリフェノール(ルチン)
ポリフェノールは、抗酸化作用が強い成分で、自然界に5000種類以上あると言われています。
代表的なものとしてルチン(そば)、アントシアニン(赤ワイン・ブルーベリー)、カテキン(緑茶・紅茶)、カカオポリフェノール(ココア・チョコレート)などが挙げられます。
活性酸素などの有害物質を、無害な物質に変える作用があるため、動脈硬化など生活習慣病の予防に役立ちます。
ルチンはかつては、ビタミンPとも呼ばれおり、ビタミンCの吸収を助け、皮膚や血管を健康に保ち、老化を防ぐ効果があります。
桑の葉にはポリフェノールも含まれています。
カリウム
カリウムは、体内に存在する量が最も多いミネラルで、生命維持のために欠かせない栄養素です。
体に含まれている余分な塩分(ナトリウム)を体の外に出す効果があることから、血圧を下げる代表的な栄養素と言われています。
桑の葉には煎茶の1.4倍のカリウムが含まれています。
ビタミンE・ビタミンB1・ビタミンB6
桑の葉には、ビタミン類も多く含まれています。
抗酸化作用のあるビタミンE、糖質からエネルギーを作り、皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きのあるビタミンB1、脳の働きに関与するビタミンB6などの栄養も、桑の葉に含まれています。
ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用を持つ、水溶性のビタミンです。
美肌には欠かせないコラーゲンを作るためにも必須の成分です。
メラニンの生成を抑える働きもあるため、シミやそばかすを防ぐ美白有効成分としても有名です。
また免疫力を高める働きもあるため、私たちには欠かせない栄養素の一つです。
桑の葉には、ビタミンCも含まれています。
GABA
GABAはアミノ酸の一種で、脳の中に含まれている成分でもあります。
GABAはストレスを和らげて脳の興奮を鎮める効果があると言われており、体をリラックスさせる働きがあります。
桑の葉にはGABAも含まれています。
桑の葉でダイエット!栄養からこんないい事①:便秘、ダイエットに
このように桑の葉にはたくさんの栄養成分が含まれ、今とても注目されています!
特に桑の葉特有のDNJは多くの健康効果が期待できる成分です。女性に嬉しい、便通改善や、ダイエット効果、内臓脂肪にも効果が期待されています!
<桑の葉の嬉しい効果>
●するんと便通改善効果
便秘は多くの女性を悩ませていますよね。
便秘は、なかなか便が出ずにお腹が張ってツライだけではなく、腸内に長時間溜まった排泄物が腐敗して有害物質を発生するため、病気の原因になったり、肌荒れなどにつながる原因にもなります。
毎日定期的にすっきり便が出ると、“健康だな“という気持ちにもなりますよね。
実は、桑の葉には、この便秘を改善する効果があるのです。
桑の葉には、便通改善に効果のある“食物繊維”が多く含まれています。
さらに、桑の葉特有のDNJという成分が小腸からの糖の吸収を阻害するため、未消化の糖類が大腸へ運ばれ、大腸に生息する細菌の作用により腸内の内容物が軟らかくなるんです。
そのため、便が含む水分量も増え、カチコチ便ではなく、するんと便が出て、排便をスムースにしてくれます。
●“糖質オフ”ダイエットに似た効果がある!?
桑の葉に含まれるDNJは、糖の吸収を抑えることができるため、ダイエットにも効果があります。
“糖質オフダイエット”という言葉を最近よく耳にしませんか?摂取する糖質を控えるダイエット方法のことですが、なぜ糖質オフがダイエットに効くのかというと、糖質は脂肪となり、体に蓄えられてしまうからなんです。
小腸で糖質が吸収されると、血糖値(血液中の糖質の濃度)が上昇します。
するとその血糖値の上昇を抑えるために“インスリン”が分泌されます。
このインスリンは、血液中の糖質を細胞に取り込むように命令し、血糖値を抑える働きがあるのです。
取り込まれた糖分(ブドウ糖)は、エネルギーとして消費されますが、余った糖分はインスリンによって脂肪になり、体に溜まってしまうのです。
なので、摂取する糖質の量が多いほど、インスリンもたくさん分泌され、脂肪になりやすくなってしまうのです。
しかし、桑の葉には、この糖の吸収を阻害する作用があるんです。
なので、血糖値の上昇も抑えることができるんです。
お菓子などだけではなく、ご飯やパンなどにも糖質は多く含まれています。
現代の食生活では、なかなか糖質オフにすることが難しいので、桑の葉を上手に取り入れて、糖質オフダイエットに似た効果を手に入れられるのは、嬉しいですね。
まとめ
いかがでしたか?
今回は桑の葉に含まれる栄養成分の話がメインでしたが、桑の葉にはDNJや、Q3MGといった成分が含まれ、便通改善やダイエットに効果があり、とても期待できそうですね。
毎日の食事と一緒に摂取することで、糖の吸収も抑えることができるので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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