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教えて!今話題の「フレイル」「ロコモ」「サルコペニア」違いについて

教えて!今話題の「フレイル」「ロコモ」「サルコペニア」違いについて

記事の分類
健康コラム
話題の成分
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お悩み
|
公開日
2021/01/29
最終更新日
2021/10/28

フレイルについて

元気に老後を過ごすためには、健康寿命がポイントですよね。

介護が必要になる期間をできるだけなくし、
健康に過ごすためには、自分の身体の状態を知ることが大切です。

今回は、加齢に伴い、心身が衰えてしまう「フレイル」を正しく知るためのお話です。

<もくじ>

フレイルって一体何?

フレイルとは「加齢に伴って、身体の予備能力が低下し、
健康障害を起こしやすくなった状態」と定義されています。

身体の衰えだけではなく、物忘れなどの認知機能の低下や、
うつなど精神的な問題など、心身の活力も低下した状態を指します。

フレイルは、要介護状態になる“前”の段階であり、
多くの高齢者が、健常な状態から、フレイルを経て、
要介護へと移行することがわかっています。

しかし、フレイルは、適切な対策をとることで、
健常な状態へと回復する可能性があります!

なので、いち早く自分がフレイルであることを知り、
さらに適切な対策をとることは、寝たきりや、介護予防にもなるため、とても重要なのです。

 

「ロコモ」、「サルコペニア」とは?

杖を持つ手

よく耳にする「ロコモ」と「サルコペニア」ですが、
実は、フレイルにとても関係しています。

中高年にはぜひとも知っておいてほしい言葉です。

「ロコモ」

ロコモティブシンドローム(運動器症候群)のことで、
略して「ロコモ」と呼ばれています。

人間の身体には、立ったり、歩いたり、運動したりするために、
骨や関節、筋肉、神経などを使って体を動かす仕組みがあり、
これを運動器と言います。

これらが衰えしまったらロコモなのです。

例えば、ロコモになると、足腰が弱り、歩けなくなり、寝たきりや、
介護が必要な生活になってしまう可能性があるのです。

しかし、これら運動器は、自分で鍛えることができます!

なので、ロコモの状態に合わせて、体操やトレーニングなどをして、
衰えを予防していくことが大切です。

老人が体操していきいきしている様子

「サルコペニア」

ギリシャ語で「サルコ(筋肉)」「ペニア(減少)」を意味する
言葉の組み合わせによるもので、
加齢に伴う、筋量と筋力の低下が起きている状態のことです。

サルコペニアだと、握力が低下したり、歩く速度が遅くなったり、
移動に杖や手すりが必要な状態になります。

ペットボトルのフタがなかなかあけれなかったり、
横断歩道を青信号の間に渡れなくなったら、
筋力が衰えている可能性があるんです。

一度確認してみてくださいね。

横断歩道を歩く老人女性

もしかしたら?と思った人もいるかもしれません。

自分がサルコペニアの可能性があるか心配になりますよね。

自分で簡単にチェックできる『指輪っかテスト』というものがあるので、
ぜひ一度チェックしてみるといいでしょう。

“サルコペニアの可能性があり”と結果が出た人は、しっかり対策を始めたいですね。

筋肉は鍛えることができるので、今から対策を始めても遅くはありません!

毎日少しずつでも運動を始めましょう。

<指輪っかテスト>

ふくらはぎの筋肉の太さを確認して、サルコペニアの可能性をチェックするテストです。

<方法>

1.椅子に座り両足を床につけます。

2. 両手の親指と人差し指どうしをくっつけて輪を作り、
ふくらはぎのいちばん太い部分を囲みます。

<結果>

・ 指先どうしがくっつかない場合:サルコペニアの可能性は低い

・ 指先どうしがちょうどくっつく場合:サルコペニアの確率が高い(危険度2.4倍)

・ 指先どうしがくっつき、ふくらはぎと隙間ができる:サルコペニアの確率が高い(危険度6.6倍)

 

それぞれどう違うの?

フレイル、ロコモ、サルコペニアどう違うのかわからないイメージ

フレイル、ロコモ、サルコペニアは、それぞれ加齢に伴い、
身体の機能が低下している状態ですが、それぞれ少しずつ違います。

ロコモ、サルコペニアは、“フレイルの原因”となり、
またフレイル状態が進行することで、
ロコモ、サルコペニアになることもあり、互いに関係しあっているのです。

それぞれが、寝たきりや、要介護状態につながる原因になってしまいます。

フレイル

加齢などに伴い、身体の機能が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態

ロコモ

身体の運動器の障害により、移動機能の低下をきたした状態

サルコペニア

加齢に伴い、筋量と筋力の低下した状態

フレイルの原因とは?

フレイルとはなんだろう?

ではフレイルの原因は何なのでしょうか?

フレイルには大きく3つの要因が互いに関係していると言われています。

さらに原因を一つに絞ることは難しく、背景には、様々な要因が絡み合っているのです。

フレイルは、年齢とともに増加し、
85歳を超えると、約3割以上が該当するとも言われています。

些細なことをきっかけに要介護状態に陥るリスクが高いため、
適切な対応が求められています。

フレイル状態は、いち早く気づくことで、
元の健常な状態へと回復することができるため、
正しい知識を身につけ、早期発見が必要です。

このフレイル問題は、自分だけではなく、
家族や医療者が早く気がつくことでも防ぐことができます。

日頃から、周りの人たちとコミュニケーションをとるようにするといいかもしれませんね!

できることから、はじめてみましょう。

<フレイルの3つの要因>

1.身体の衰え

筋力や持久力、また嚥下、摂食機能の低下など生理機能が低下している状態。

特に「ロコモ」「サルコペニア」など、筋力が低下し運動機能が衰えている状態は要注意。

食欲低下などによる、低栄養状態も要注意です。

身体の衰えイメージ

2.心・認知的な衰え

高齢者に見られる認知障害など、放置すると認知症への進展リスクが高い状態。

(認知症ではない)

うつや意欲の低下など精神心理的に弱っている状態。

 

3.社会的な衰え

独り暮らし、閉じこもりがちな生活、経済的困窮などが原因で人とのつながりが減り、
社会から孤立している状態。

自宅イメージ

 

寝たきりが怖い

寝たきり老人

65歳以上では、3人に1人が1年間に1回以上転倒しているそうです。

転倒して、骨折し、歩けなくなり、寝たきりになる…ということは実は多いのです。

「転倒」は単なる事故ではなく、身体の機能の低下が原因でもあります。

フレイル、ロコモ、サルコペニアの状態だと、その確率は高まってしまうことも。

実際、フレイル状態の高齢者では、日常生活への支障はもちろん、
転倒、入院、さらに死亡のリスクが高いことが報告されています。

転倒は、ちょっとした段差やコードなどにつまずく以外にも、
歩いている時にバランスを崩してしまったことや、
筋力低下が直接の原因であることも多いのです。

骨折や、頭を打って脳出血になったり、寝たきり状態になる可能性もあり、
とても危険ですよね。

だからこそ、不慮の転倒を防ぎ、介護予防のためにも、
しっかり自分の状態を知り、
適切な対策をとることが大切です。

フレイル予防は、健康寿命を延ばす近道です!
まだまだ健常な状態に戻ることができる“フレイル状態”までに、
しっかり対策をとりたいですね。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

言葉の説明が中心でしたが、
フレイル状態にならないためには“予防”する意識が肝心です!

まずは自分でできることから少しずつ、フレイル対策を始めてみましょう。

そうすることで、未来の元気が長続きするはずです!


コラム監修

田中 清先生

神戸学院大学栄養学部教授、医師、医学博士。
日本骨粗鬆症学会や日本ビタミン学会など数々の学会でご活躍中。

 

 

 
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