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血液中のカルシウム濃度が低下する「低カルシウム血症」って?

血液中のカルシウム濃度が低下する「低カルシウム血症」って?

記事の分類
健康コラム
話題の成分
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お悩み
公開日
2019/06/03
最終更新日
2020/05/11

私たち人間の身体の中のカルシウムの99%は骨や歯に蓄えられており、
残りの1%は血液などの体液や筋肉に存在して筋肉や神経などを
正常に機能させる役割を担っています。

血液中のカルシウムの濃度が常に一定に保たれていることで、
私たちの身体は正常に機能することができます。
正常な濃度はおよそ8.5~10.4ml/dlで、8.5ml/dl未満の状態を「低カルシウム血症」と言います。

低カルシウム血症の症状は?

低カルシウム血症の代表的な症状として、「手指や唇のしびれ」が挙げられます。
また、皮膚の乾燥などの症状が現れる場合もあります。

これらの症状は、血液中のカルシウムイオンの濃度の変化が原因となって起こるため、
たんぱく質と結合して血液中に存在しているカルシウムの濃度とは関わりありません。

高齢者や血液中のたんぱく質濃度が低い方の場合、
血液中のカルシウム濃度が低くなりがちですが、
カルシウムイオンの濃度が変化しない場合は上記のような症状が現れることはなく、
治療の必要もないとされています。

血中カルシウム濃度が低下する原因は?

血液中のカルシウム濃度は、主に副甲状腺ホルモンとビタミンDの
働きによって調節されています。

血液中のカルシウム濃度が低下すると、副甲状腺ホルモンが骨からカルシウムを溶かし出し、
血液中へ放出します。

ビタミンDは、肝臓と腎臓で酵素の働きを受けて「活性型ビタミンD」
となります。
活性型ビタミンDは、食事で摂ったカルシウムが小腸で吸収されるのを助けます。
また、腎臓の尿細管に作用して尿に排泄されたカルシウムの再吸収を促します。

このため、副甲状腺機能の低下やビタミンD不足などが低カルシウム血症を引き起こす原因となります。
また、腎不全やカルシウムの摂取不足が原因となって起こる場合もあります。

低カルシウム血症の治療法は?

低カルシウム血症は、多くの場合、命に関わるような病気ではありません。
とは言え、しびれやテタニー症状と呼ばれる痛みをともなう
筋肉の痙攣がひどいと全身痙攣などにつながることもあるため、
しびれなどの症状がある場合は治療が必要になります。
このような場合の治療は、カルシウム剤の静脈注射によって行われます。

症状が軽い場合は、カルシウム剤やビタミンD剤の内服による治療となります。

手や唇にしびれを感じた場合は、低カルシウム血症以外にもなんらかの病気が原因
となっている可能性があります。
早めに医療機関を受診なさることをお勧めします。


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